イ・ジュノ主演『テプン商事』、逆境を乗り越える強靭なビジネスマンの物語
イ・ジュノ主演『テプン商事』、逆境を乗り越える強靭なビジネスマンの物語
イ・ジュノにどんな困難が押し寄せても心配はない。折れないビジネスマンの根性と信念、そして台風のような能力があるからだ。

tvN土日ドラマ『テプン商事』(演出 イ・ナジョン、キム・ドンフィ/脚本 チャン・ヒョン)のカン・テプン(イ・ジュノ)は、危機が訪れるほどにより強固になる。挫折より希望、落胆より解決が先であり、座り込むより前に進み、ついには突破口を見つけ出す行動派テプンの態度は、視聴者に『台風活躍』を期待させる原動力となっている。

カン・テプンの危機対応力の源は、生まれ持った直感と観察力だ。高級輸入生地を納品することになっていた大房繊維のオフィスを一目で見渡し、抜けた電話線、空の用紙箱、厚手のパディングを着た社員たちの姿だけで倒産を感知した。生地保管倉庫を見つけられなかった時は、空っぽの仁川港駐車場を見てすぐに仮倉庫のアイデアを思いついた。オ・ミソン(キム・ミナ)の生地返品計画を聞いた時は、為替レートの上昇で損失ではなく利益であることを証明し、返品が拒否された場合に備えた『市場半額戦略』まで提案した。不利な条件でも自ら道を作り出す感覚が彼の生存方式だ。

また、契約書の単位未記載を逆利用して表象船社長の表パクホ(キム・サンホ)のミスを誘導し、残った生地を原価の3倍で売り返して逆転劇を完成させた場面は、テプンの勝負師気質を証明した。続いて釜山ではシューパック安全靴の価値を一目で見抜き、『物を見る目』も兼ね備えていることを証明した。
イ・ジュノ主演『テプン商事』、逆境を乗り越える強靭なビジネスマンの物語
イ・ジュノ主演『テプン商事』、逆境を乗り越える強靭なビジネスマンの物語
何より彼にとって最大の力は人に対する信頼だ。悪徳高利貸しのリュ・ヒギュ(イ・ジェギュン)に全てを失ったシューパック社長のパク・ユンチョル(ジン・ソンギュ)を見捨てられず、両目を担保に7千個を売って1億を返すと決断したのは、ビジネスマンとしての信念であり、人間カン・テプンの本能だった。

その信念を証明するためにカン・テプンは「いつかは映像を見て物を買う時代が来る」という未来を見据え、自ら企画したプロモーション映像を制作し、外国バイヤーにビデオテープを配り積極的に宣伝に乗り出した。アプクジョンの遊び人時代のダンススキルまで動員して安全靴の性能を自ら証明した彼の感覚は、時代を先取りした先見の明だった。産業安全法が厳しい市場という分析を基に、ヨーロッパとアメリカを輸出ターゲットにし契約を成立させたカン・テプンは、IMF時代の激しい雨の中でも自分だけの道をしっかりと切り開いたビジネスマンの生存力を証明した。

その結果、安全靴の契約に成功したが、彼を嫉妬する表現ジュン(ム・ジンソン)の妨害で海運会社のブラックリストに載り、航路が断たれ、遠洋漁船の船長には塩の洗礼を受けた。しかし、カン・テプンは危機の中でも揺るがない。IMFという激しい嵐の中でもついに根を下ろす彼の姿は、『テプン商事』が描こうとする人間の強靭な生命力に似ている。

父(ソン・ドンイル)が残した『結果より重要なのは人』という信念を受け継いだカン・テプンは、その果実の上で自ら種となり成長している。周囲の信頼と誠実さを肥料に再び立ち上がり、人を信じる心で自分の道を広げている。危機をチャンスに変えるカン・テプンの感覚と洞察力、判断力、そして人への信頼がどんな花と果実に繋がるのか期待が集まる。

イム・チェリョン テンアジア記者 syjj426@tenasia.co.kr