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ディズニープラス『北極星』、豪華キャストもストーリーに難あり?
Sep 30, 2025
Updated Sep 30, 2025
by Bella
ディズニープラス『北極星』、豪華キャストもストーリーに難あり?
ディズニープラス『北極星』、豪華キャストもストーリーに難あり?
ディズニープラスオリジナルシリーズ『北極星』が最終話を目前に控え、ストーリーのバランスを欠いているとの声が上がっている。政治、国際情勢、スパイといったテーマが繰り返され、視聴者の疲労感を増している。ストーリーに没入しにくいという根本的な問題もある。「制作費700億ウォンが空中分解した。出演料に使われたのではないか」という指摘も出ている。
『北極星』は10月10日に初公開され、来月1日に最終話が公開される予定だ。元国連大使のムン・ジュ(전지현/チョン・ジヒョン)が、有力な次期大統領候補だった夫ジュンイク(박해준/パク・ヘジュン)の殺害に絡む真実を追求し、朝鮮半島への脅威に対応していく物語だ。
ディズニープラス『北極星』、豪華キャストもストーリーに難あり?
『北極星』は전지현/チョン・ジヒョン、강동원/カン・ドンウォン、박해준/パク・ヘジュン、김해숙/キム・ヘスク、유재명/ユ・ジェミョン、오정세/オ・ジョンセ、さらにハリウッド俳優のジョン・チョーまで豪華なキャストで公開前から注目を集めていた。『別れる決心』、『小さな女性たち』の정서경/チョン・ソギョン作家が脚本を手掛け、『涙の女王』、『ヴィンチェンツォ』の김희원/キム・ヒウォン監督と『犯罪都市4』の허명행/ホ・ミョンヘン監督が共同演出を担当した点も期待のポイントだった。
華やかな外見とは裏腹に公開された『北極星』には賛否が分かれた。当初のドラマ設定は未亡人ムン・ジュが夫の死の真相を明らかにするために大統領選出馬を宣言するというものだった。しかし、すぐにどこにでも目立つが正体不明のボディーガード、サンホ(강동원/カン・ドンウォン)と恋に落ちる。彼はムン・ジュが危険な時にどこからともなく現れ、理由もなく彼女を助け続ける。そして彼もまたムン・ジュに心を奪われる。
公式の場でムン・ジュは「明日戦争が起こるかもしれない」という事前に議論されていない爆弾発言をし、銃撃戦の中でサンホと身を隠す。隠れ家で互いに対する思いが高まり、キスからベッドシーンに至る。視聴者が「避難しているのかピクニックに行っているのか」と反応した理由だ。確かに公開された全てのエピソードを見たのに、見逃したエピソードがあったかのように展開に穴が多い。
ディズニープラス『北極星』、豪華キャストもストーリーに難あり?
このような状況で死んだ夫の愛人ハンナ(원지안/ウォン・ジアン)と彼らの9歳の息子も登場する。ハンナは「すぐに親子訴訟を始める」とムン・ジュを脅し、世論戦まで始める。愛人の正体は工作員だったが、彼女はジュンイクを本当に愛するようになった。90年代のドラマにありそうな古臭い設定に加え、「あの女に勝ちたかった」というハンナのセリフは『北極星』を三流ドラマにしてしまう。
さらに、元々ムン・ジュは夫と死ぬほど愛し合って結婚したわけではない。元国連大使のムン・ジュと政治家の夫は恋人というより人生のパートナーに近い。しかし愛人の登場にムン・ジュは激怒する。前後の合わないムン・ジュの行動に戸惑う。
ディズニープラス『北極星』、豪華キャストもストーリーに難あり?
政治スパイものでもある『北極星』は、展開中ずっと戦争、平和、スパイなどを言及してきた。しかし、最後の2話を残している時点まで戦争の脅威や朝鮮半島の安全保障に関するストーリーはあまり進展していない。劇中の人物たちが陰謀論に囚われているかのように感じるほどストーリーが雑だ。まともな対策もなく右往左往する主人公たちが無能に見えることもある。
さらに、このようなテーマは視聴者を疲れさせ、敏感にさせる。視聴者が実感することも共感することも没入することも難しい理由だ。
政治ドラマとしてもスパイスリラーとしてもメロドラマとしても粗雑で完成度が低い。北極星は古くから道しるべの星だった。しかし、ドラマ『北極星』は自ら道を見失った。『北極星』が最後の関門に無事到達できるかは未知数だ。
김지원/キム・ジウォン テンアジア記者 bella@tenasia.co.kr