『イカゲーム3』ファン・ドンヒョク監督、6年間の大長征を終えて語る
『イカゲーム3』ファン・ドンヒョク監督、6年間の大長征を終えて語る
6年間にわたる大長征が終わった。『イカゲーム』という世界的な作品を作り上げる中で、なんと10本の歯を失ったという。企画から脚本、演出まで全てを手掛けたファン・ドンヒョク監督の話だ。

30日、ソウル鍾路区三清洞に位置するカフェで『イカゲーム3』のファン・ドンヒョク監督に会った。シーズン3をもって6年間の大長征が終わっただけに、ファン監督はすっきりした表情だった。
『イカゲーム3』ファン・ドンヒョク監督、6年間の大長征を終えて語る
『イカゲーム3』ファン・ドンヒョク監督、6年間の大長征を終えて語る
『イカゲーム3』はシリーズの大団円を締めくくる作品だ。自分なりの目的を抱いて再び参加したゲームで最も親しい友人を失ったソン・ギフン(イ・ジョンジェ役)と、正体を隠してゲームに潜り込んでいたフロントマン(イ・ビョンホン役)、そしてその残酷なゲームの中で生き残った参加者たちの最後の運命を描いた。

シーズン1の成功で大きな期待感の中で始まったシーズン2とシーズン3は、賛否が分かれた。それだけ多くの関心が存在したことの証でもある。作品を企画し演出した製作者の心境はどうだったのだろうか。
『イカゲーム3』ファン・ドンヒョク監督、6年間の大長征を終えて語る
『イカゲーム3』ファン・ドンヒョク監督、6年間の大長征を終えて語る
ファン監督は「シーズン1の時は皆期待感がなかった。それが作品が成功し、大騒ぎになった。ゲームに熱狂する人もいれば、隠された社会的批判メッセージを好んでくれる人もいて、キャラクターを愛してくれる人もいた。シーズン2と3は視聴者が自分なりの方法で見ていた。期待感があるからメッセージが少ないとか、ゲームがあまり面白くないとか、特定のキャラクターがなぜこんなに早く死んだのかと言う人も出てきた。自分が主人ではなく、ファンが主人になったような感じだった」と明かした。

さらに「長いシリーズはこんなことも起こるんだなと思った。どうしてもファンダムがあるから。私たちの作品は極端な話で構成されていて、賛否があるのは当然だ。そんなドラマがここまで大きな愛を受けられたことだけでも感謝しているし、酷評も関心の表現だから論争も幸せだ。互いに意見を交換するのも作品の消化方法の一つだから」とむしろ感謝の意を表した。
『イカゲーム3』ファン・ドンヒョク監督、6年間の大長征を終えて語る
『イカゲーム3』ファン・ドンヒョク監督、6年間の大長征を終えて語る
特にシーズン2から継続して話題になった主演イ・ジョンジェの演技力論争について、ファン監督は「妄想と執着に囚われたキャラクターを作りたかった。シーズン3でのソン・ギフンは正常ではない。テホ(カン・ハヌル役)という一人に集中する魂が抜けた人」と口を開いた。実際にシーズン2でイ・ジョンジェは発声、シーズン3で表情演技で論争となり、賛否評価の主人公にもなった。

さらにファン監督は「イ・ジョンジェ俳優がダイエットをして体重もかなり減らした。1年以上も野菜だけを食べていた。どんどん壊れていくギフンの姿を描くためだった」とし、「台詞がほとんどない。顔の表情だけで多くを表現しなければならなかったので難しい演技だった。様々なことをもっと表現するには、そのキャラクター自体がそれを許さなかった」と擁護した。
『イカゲーム3』ファン・ドンヒョク監督、6年間の大長征を終えて語る
『イカゲーム3』ファン・ドンヒョク監督、6年間の大長征を終えて語る
監督はなんと6年という時間をかけて作品を作り、俳優たちもその時間を共にした。『イカゲーム』シーズン1は2021年9月に初公開されたが、撮影および後半作業を含めると制作陣から出演者まで長い時間一つの作品に力を注いだのだ。

ただしファン監督は長期プロジェクトはもうやりたくないという表現で首を横に振った。彼は「得たものも多いが、失ったものも多い。この作品をやりながら歯を10本ほど失った。この作品が人気だったからといってこれだけをやりたいわけではない。様々な作品をやってみたい」と打ち明けた。

好評より酷評が多かったシーズン2に続き、シーズン3への反応も冷淡だ。しかし、全世界93カ国で1位を獲得し、依然としてグローバルな愛を受けている『イカゲーム3』だ。シーズン1の記録を破ることができるだろうか。賛否の反応が鍵となる。

リュ・イェジ テンアジア記者 ryuperstar@tenasia.co.kr