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パク・チャヌク監督、25年ぶりにイ・ビョンホンと再会!新作『オチョルスガオプダ』でブラックコメディに挑戦

最近、ソウルのソギョクドンにあるカフェで映画『オチョルスガオプダ』のパク監督に会いました。『オチョルスガオプダ』は25年間製紙会社に勤めたマン・ス(イ・ビョンホン)が突然解雇され、再就職のために奮闘する物語です。この映画はユーモアと風刺に満ちています。原作はアメリカの小説家ドナルド・ウェストレイクの『The Ax(アックス)』です。
映画の中で再就職が切実だったマン・スは、道徳性を失い『競争者排除』という極端な選択をします。パク監督は「初めて原作を読んだとき、そこから漂うユーモアが良かった。それが刺激になったようです。これをコミカルな映画にできると思いました」と明かしました。また、「どうしてもシステムの中の労働者の話なので、チャーリー・チャップリンの『モダン・タイムズ』を思い出さずにはいられませんでした。でも『モダン・タイムズ』を再び見ることはありませんでした。それでも一度その考えが浮かぶと、コミカルな方向に進むことになりました」と語りました。劇中でイ・ビョンホンが生やした口ひげもチャーリー・チャップリンを連想させます。

原作は平凡な家長が殺人を通じて怪物になっていく過程に焦点を当てた犯罪スリラーに近いです。一方、映画はこの過程を悲劇的でありながらも滑稽に描いたブラックコメディです。原作とやや異なる雰囲気で展開された理由について、パク監督は「前作『別れる決心』の影響かもしれません」と述べました。彼は「『別れる決心』はゆっくりとした余白の多い映画です。だから次の作品は無意識に違うものにしたかったのかもしれません。映画を作るとき、直前の作品と違うことをしたい気持ちが常にあります。繰り返すと自分自身が退屈に感じてしまうので、仕事の楽しみがありません。『オールドボーイ』や『親切なクムジャさん』の時のように、抑制のないシーンが必要なら、それを制限せずにすべて表現しようという気持ちで作業しました」と語りました。
『オールドボーイ』、『バクチュ』、『アガシ』、『ドンジョジャ』など原作のある作品を続けてきたパク監督。今回の映画も同様です。オリジナリティへの欲望はないのかという質問に、パク監督は「欲望はありません。私は原作があると嬉しいです。脚本も誰かが書いてくれれば嬉しいです。そうすればもっと頻繁に映画を作ることができます」と答え、笑いを誘いました。続けて「良い素材を作るために、脚本を書くために1〜2年を費やすのですが、誰かがくれればいつでも作れます」と述べました。

映画の結末については「観客が自分の人生観に合わせて解釈するでしょう。現在の自分の家庭がどうなのか、自分の親はどうだったのかなど、人間は自分の視点に応じて異なる解釈ができます。これらを総合して各自が(結末の意味を)選択するだろうと思います。ある方は(結末をはっきりと)描写してほしいと思うかもしれませんが、またある方はそうでないことを望むかもしれません」と余地を残しました。
映画ではAIや自動化など先端技術によって人間の仕事が機械に置き換えられる状況を製紙業を通じて語ります。これは数年で急激に難しくなった映画界を連想させるものです。長年映画の仕事をしながら映画産業の興亡をすべて経験したパク監督。彼は「『JSA』前の困難な時期を経験しました。映画をどうにかして演出しようと映画会社やプロデューサーを訪ね歩きました。シナリオも見せました。そんな年月が長かったです。うまくいきそうで契約書を書いたのに何度も頓挫しました」と振り返りました。また「その恐怖は大きく存在しています。自分が作った映画が利益を出さなければ、当面一、二本は耐えられるかもしれませんが、三、四本になると投資が入らなくなるでしょう。そんな日が来ると思います。原作を読んだときに惹かれたのはそんな理由もあります」と打ち明けました。

『オチョルスガオプダ』はすでに公開されていますが、旅はまだ終わっていません。来年3月に開催される第98回アカデミー賞(オスカー)の国際長編映画部門に出品されました。パク監督は「オスカーは両面性を持っています。候補にならなければ映画の宣伝から早く『引退』できるので休息も取れ、次の作品も探せるという良い点があります」と述べました。一方で「候補になれば数ヶ月間非常に忙しくなり『死のレース』が始まります」と伝えました。今年62歳のパク監督は「『この年で』と思うこともありますが、『なればいいな』という両面的な感情が湧きます」と微笑みました。
キム・ジウォン テンアジア記者 bella@tenasia.co.kr