アン・ヒョソプ、映画『全知的読者視点』での「平凡さ」に惹かれた理由
アン・ヒョソプ、映画『全知的読者視点』での「平凡さ」に惹かれた理由
俳優アン・ヒョソプが『全知的読者視点』のキャラクターの「平凡さ」に惹かれたと明かしました。

16日、ソウル三清洞のカフェで映画『全知的読者視点』に出演した俳優アン・ヒョソプに会いました。

『全知的読者視点』は10年以上連載された小説が完結した日に、小説の世界が現実になるという出来事を描いたファンタジーアクションです。同名のウェブ小説が原作です。アン・ヒョソプは10年以上連載された小説の唯一の読者であるキム・ドクジャ役を演じました。

アン・ヒョソプは「プリプロダクションから完成まで2年半ほどの時間がかかったようです」と述べ、「映画が初めてなので焦りもありました。撮影が終わってから1年が経ち、完成版を見たとき、新鮮な感情が湧きました。ドキドキ半分、ワクワク半分でした」と公開の感想を語りました。続けて「CGが多く使われる映画です。現場で多くの話をしながら作業しましたが、どう完成するのか、どのように肉付けされるのか感覚がつかめませんでした。私も1週間前の技術試写で映画を初めて見たのですが、不思議でした。何もない場所で撮影したのに、ようやく相手ができたのを目撃して不思議な経験でした」と述べました。

アン・ヒョソプにとって『全知的読者視点』は初の映画です。彼は「技術試写で映画を全部見た後、全身に力が入っていました。終わった後、風邪をひきました。緊張していたようです」と伝えました。映画デビュー作としてこの作品を選んだ理由については「私は作品を選ぶ基準が明確です。私の心が躍るならやります。『やりたい』という気持ちが感じられます」と明かしました。彼は「キム・ドクジャの平凡さに惹かれました。これまで演じてきた役は何かしらの強みや特別な点がありました。非常に優れているか、劣っているか、特色がありました。キム・ドクジャは目を洗って探しても強みがありませんでした。誰でもなれる人物という点に惹かれました。私が『平凡さ』をどう表現できるかが気になりました」と語りました。また「副次的には韓国でのこの挑戦がどのような結果物として出るのかが気になりました」と付け加えました。

クローズアップシーンが多かったことについて「私の顔や心の中が見えるほど近くで撮った場合が多いです」とし、「私たちの作品ほど主人公の心理を追いかけるように案内してくれる作品はないと思いました」と述べました。続けて「近くで撮ると思っていましたが、大きなスクリーンに出ると負担でした」としつつも「感激でした。子供の頃から映画俳優を夢見ていた人として初めてなので感激でした」と誇らしげに語りました。また「爽快なアクションと途切れない見どころ、そして人間に対する苦悩というメッセージを逃さなかった点が私たちの映画の主要なポイントです」と自慢しました。

アン・ヒョソプはこの作品に出会った当時を思い出しました。彼は「当時はとても退屈でした。その時、私はいくつかの作品を休まずに3〜4年間ずっとやっていました。ある瞬間、マンネリズムに陥りました。『自分は何をしているのか』と思いました。毎シーン集中してやっていても『自分が望んでいた俳優の人生はこれなのか』と思いました」と振り返りました。続けて「私はこの台本をカフェの2階の隅のソファで読みました。何も見せないキャラクターに不思議と心が落ち着きました。この状況に置かれて振り回されるキム・ドクジャに共感しました。まるで自分が置かれた状況のようでした」と打ち明けました。

『全知的読者視点』は今月23日に公開されます。

キム・ジウォン テンアジア記者 bella@tenasia.co.kr