公演芸術統合電算網(KOPIS)によると、今年1月1日から今月21日まで最も多くのチケット予約率を記録した作品は『アラジン』(Aladdin)である。『アラジン』は昨年11月から今年6月22日まで観客と出会った。
この作品はアメリカのアニメーション会社ディズニーの『アラジン』が原作である。2011年にディズニーシアトリカルプロダクションがこのミュージカルを制作した。この作品ではアグラバ村の貧民街で友人たちと小盗み・スリをしながら生きていた貧しい少年アラジンが、魔法のランプの中の精霊ジーニーに出会った後、冒険と愛・自己発見の旅に出る。
舞台にはイリュージョン(錯視)効果が何度も登場し、衣装と舞台セットも華やかである。さらにタップダンスをはじめとする群舞の饗宴や、空飛ぶ絨毯に乗って空中を漂う姿まで舞台で実際に再現されるなど、総合芸術の結晶を見せる。
VIP席が19万ウォンに達するほど価格は安くなかったが、キム・ジュンスをはじめモデル兼俳優イ・ソンギョンのデビュー作となるなど華やかなラインナップでチケット完売行列が続いた。2024年11月に2025年2月1日の公演チケットが完売するほどだった。
制作会社の関係者は「子供まで観覧できる家族公演であるため、チケット需要もそれだけ多かったようだ」と説明した。
『アラジン』は今年6月にソウル公演を終え、9月まで釜山で再び観客と出会った。ここでも完売行列を記録し、『アラジン』は今年最も多く観覧されたミュージカル1位と5位の座をそれぞれ占めた。
観客が今年2番目に多く観覧したミュージカルは『ウィキッド』(Wicked)である。7月から10月まで観客と出会ったこの作品も2003年5月にアメリカのある劇場で初演後、同年10月にブロードウェイで初演されたアメリカ作品である。古典『オズの魔法使い』を愉快にひっくり返したグレゴリー・マグワイアの小説が原作である。ドロシーが落ちる前のオズの二人の魔女、エルファバとグリンダの話である。
今回の公演は2012年のオリジナル来韓以来「13年ぶりの来韓」という点で観客の関心を集めた。一部の観客は「またいつ見ることができるかわからない」という気持ちで早く予約し、累計100万人観客突破という圧倒的な記録を立てた。制作会社の関係者は「俳優だけでなく作品自体に対するファンダムが多い方だ」とし、「昨年と今年映画でも上映されたおかげで新規観客が多く流入したようだ」と評価した。
3位は5月31日から8月中旬まで公演された『ファントム・オブ・ジ・オペラ』(Phantom of the Opera)が占めた。『ファントム』はフランスの小説家ガストン・ルルー(Gaston Leroux)の1910年『オペラ座の怪人(Le Fantôme de l'Opéra)』が原作である。この作品は1991年にアメリカのテキサス州ヒューストンで初演された。
今年の『ファントム』は国内初演10周年記念公演だった。パク・ヒョシン、チョン・ドンソク、カイなどファンダム規模が大きい俳優たちが出演した。『ファントム』は再演当時、ソウル龍山区の公演場で観客を迎えた。しかし今回はスケールを拡大し、世宗文化会館大劇場で幕を開けた。
今回の『ファントム』の人気要素について制作会社の関係者は「作品が持っている文学的感性とミュージカルの華やかさ、そしてオペラとバレエが結合した優雅さを一つの舞台で全て見ることができるのが作品の大きな特徴」と挙げた。続けて「10周年を迎え完成度をさらに高めた点で観客に特別な経験として近づいたのではないかと思う」と付け加えた。
4位は『ジキル&ハイド』が占めた。この作品は昨年11月から今年5月まで公演したにもかかわらず高い順位に着いた。『ジキル&ハイド』はロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説『ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件』が原作である。主人公ヘンリー・ジキルが人間の善悪を分離する実験をし、その後二つの人格が対立しながら発生する事件をダイナミックに描いた作品である。1990年にアメリカのテキサス州ヒューストンで初演された。
2004年に国内初演後20周年を迎えたという点で観客の関心を引いた。さらにホン・グァンホ、シン・ソンロク、チェ・ジェリム、チョン・ドンソク、キム・ソンチョルなど有名俳優たちでラインナップを完成した。今回の公演は累計観客数200万人突破記録を追加したとも伝えられた。
公演を観覧した観客たちは「俳優たちが顔と声を休むことなく変え、入れ替えるなど高難度の演技をし、息を殺してぼんやりと見てしまう」、「観覧中ずっと強力なカタルシスが生きているようだった」などの感想を残した。
KOPIS統計によると『アラジン』釜山公演が5位を占めた。しかし先月27日に幕が上がり、今まさに公演1ヶ月目となった『ムーラン・ルージュ!』がその後を追い人気を集めている。
『ムーラン・ルージュ!』は2001年にアメリカで公開されたバズ・ルーマン監督の同名映画が原作である。最高のスター『サティーン』と無名作曲家『クリスチャン』の運命的な出会いと抜け出せない愛、そして彼らと『モンロス』が作る三角関係が作品の中心軸である。2019年にブロードウェイで初披露され、2021年の第74回アメリカトニー賞授賞式で最優秀作品賞など計10部門で受賞した。
この作品は始まりから視線を捉える。約2700個の照明と華やかな舞台パフォーマンスで観客が「これ以上華やかにはなれない」と思わせる。愛と欲望、嫉妬心、恐れ、希望など人間の様々な欲求も各キャラクターを通じて見せる。
約70曲のポップ名曲が2時間30分間観客の耳を楽しませる。韓国人もよく知っているレディー・ガガの『Bad Romance』、アデルの『Rolling in the Deep』、ウィーク・ザ・ムーンの『Shut Up and Dance』など多くのポップがミックスされたいわゆる『マッシュアップ』(異なる曲を組み合わせて新しい曲として再誕生)技術を活用し、客席の共感を引き出す。
CJ ENMの関係者は「観客が劇場に入った瞬間から作品の世界観の中で俳優たちと呼吸できるようにした」とし、「男女老若・東西古今を超越したラブストーリーにポップ名曲と爆発的なダンスが人気の秘訣」と付け加えた。
来年も様々な作品が観客と出会う。『ロミオとジュリエット』などアメリカを原作とするミュージカルもあるが、『夢遊桃源』、『隠密に偉大に:THE LAST』、『西便制』、『その日々』など有名な韓国作品も多数ラインナップにある。来年には大きな国内作品がアメリカの傑作を超えるか期待が集まる。
ジョン・ダヨン テンアジア記者 light@tenasia.co.kr