イ・ソンビン、人生の主人公としての瞬間を描く『月まで行こう』
イ・ソンビンが自ら人生の主人公となる瞬間を描き、感動を与えた。

3日に放送されたMBC金土ドラマ『月まで行こう(To the Moon)』(企画:チャン・ジェフン/演出:オ・ダヨン、チョン・フン/脚本:ナ・ユンチェ)第5話は「主人公の資格」というサブタイトルで構成された。「ムナニたち」チョン・ダヘ(イ・ソンビン役)、カン・ウンサン(ラ・ミラン役)、キム・ジソン(チョ・アラム役)の波乱万丈な職場生活が繰り広げられる中、ダヘは「ハム博士」ハム・ジウ(キム・ヨンデ役)の告白に心が揺れた。

この日の放送でチョン・ダヘは会社の広報映像撮影現場でチョン・ダヒ(ホン・スンヒ役)とハム博士が並んでモデルとして立つ姿を見て、苦々しさを隠せなかった。「マロンの姫」と呼ばれるチョン・ダヒとは対照的に、自分は「お母さん」と呼ばれながら撮影現場から追い出される現実がさらに切なく感じられたからだ。創立記念イベントを控え、ハム博士の隣の席を確保するためにダヒと正面対決を繰り広げ、じゃんけんの末にその席を手に入れた。

しかし、イベント当日チョン・ダヘはハム博士の隣の席を奪われた上、授賞式の舞台にも上がれず、隅で拍手を送るだけだった。さらにワインボトルのハプニングで鼻血まで出て、せっかく着飾った白いドレスが赤く染まった。続いてチームメンバーの陰口を盗み聞きし、チーム長コ・デヨン(ウム・ムンソク役)の不当な叱責まで受け、心に深い傷を負った。特に「白いドレスを着てチョン・ダヒさんと一緒にいると、ヒラメの下に敷かれた天使のようだ」という言葉がダヘの心を深くえぐった。

落胆したチョン・ダヘにハム博士は「自分がいる場所を舞台にできる人」として彼女の価値を再認識させた。その言葉にチョン・ダヘは「私はどこにいても、何を着ていても素敵になれる人、何でもできる人」と自分を奮い立たせ、再び立ち上がった。イベント会場で配送事故でトンカツ味のお菓子が抜けた際、ハム博士が舞台に上がって歌で時間を稼ぎ、チョン・ダヘは社内食堂からトンカツを調達して雰囲気を一変させた。嘲笑していた同僚たちはもちろん、マロン製菓の社長まで彼女の機知を認め、拍手を送った。

イ・ソンビン、人生の主人公としての瞬間を描く『月まで行こう』

その夜、チョン・ダヘとハム博士は桜が咲き誇る道を並んで歩いた。音楽を諦めた過去の時間を「靴の中の小石」に例えたハム博士の告白は、二人の距離を一層縮めた。「ずっと一緒に歩きたくて」足元に引っかかる小石さえ我慢してきたという彼の真心に、チョン・ダヘの心も徐々に揺れ始めた。ダヘはちょうど上昇したコイン列車のせいだと感情を抑えようとしたが、いつの間にかハム博士という存在が心の奥深くに染み込んでいた。

以前、辛い時期に彼の歌を聴いて耐えたというチョン・ダヘの告白に、ハム博士は「自分の音楽が誰かを救ったということがとても嬉しくてたまらない」と感激の感情を表した。高まった感情の末、二人は熱いキスを交わした。

嘲笑と差別、予期せぬ屈辱の中でもダヘは最後まで自分なりの方法で舞台を作り上げた。倒れた場所から再び立ち上がる勇気、自分を信じて最後に輝きを放ったチョン・ダヘの姿は「主人公の資格」が何であるかを明確に示した。ここにウンサンとジソンの頼もしい友情が加わり、ムナニたちの物語は視聴者に重厚な感動を残した。

一方、ウォーマンスの温かさとロマンスのときめきを共に描いたMBC金土ドラマ『月まで行こう』第6話は4日夜9時50分に放送される。

イム・チェリョン テンアジア記者 syjj426@tenasia.co.kr