パン議長は15日午前10時頃、ソウル麻浦区のソウル警察庁金融犯罪捜査隊に被疑者として出頭した。黒いスーツを着てフォトラインに立った彼は、「私のことでご心配をおかけして申し訳ない。調査に誠実に臨む」と短く立場を表明した。続いてIPO(新規株式公開)前の持分売却疑惑に関する質問には「調査でお話しする」と言葉を控えた。
パン議長は2019年、ハイブの上場を前に投資家に「IPOの計画はない」と知らせた後、自身と関連するプライベートエクイティファンドが設立した特別目的会社(SPC)に持分を譲渡するよう誘導した疑いを持たれている。この過程でパン議長は株式売却差益の30%を受け取り、総額1900億ウォン台の不当利益を得たと捜査当局は見ている。
今回の事件の焦点は、パン議長が当時の投資家を意図的に欺いたかどうかである。もし警察が「IPOの計画はない」という発言が虚偽であり、これを通じて直接的な経済的利益を得た事実を立証した場合、資本市場法上の詐欺的な不正取引の疑いが成立する可能性がある。
警察は昨年末に情報を入手し、捜査を開始しており、金融監督院の特別司法警察官も検察の指揮の下で別途調査を並行している。法曹界のある関係者は「捜査の規模と被害額が大きいため、起訴の可否は結局、故意性と共謀の有無の立証にかかっている」とし、「被害者の証言、内部資料、IPO準備過程の記録などが核心証拠となるだろう」と展望した。
パン議長の司法リスクはハイブの経営にも影響を及ぼす可能性がある。世界的なK-POP企業として位置づけられたハイブは、軍服務を控えたグループBTSの完全体活動をはじめ、新人グループの育成、海外市場の拡大など大きな課題を推進中である。この中で創業者であり最大株主であるパン議長が法廷に立つことになれば、対外的な信頼度に打撃を避けられないと見られる。
先にパン議長は先月、社内メッセージを通じて「個人的な問題が会社に負担にならないよう誠実に説明し解決する」と述べたが、捜査が長期化すれば内部の混乱は避けられないという分析も出ている。
チェ・ジイェ(Choi Ji-ye)テンアジア記者 wisdomart@tenasia.co.kr